アトリエ

ねぇ、ねぇー、おじさん何してるの？

なんで閉じ込められているの？

なんで？なんで？

お天気だから外で一緒に遊ぼうよ！

『お前、なんばしよーとや？

ほら！人間に見つかる前にあっちへ行かんね。』

いやだ！

おじちゃんとあーそーびーたーい！！！！

『お前は優しかね。

じゃ、あそこの草ばちょっと持ってきちゃらんね？

おじちゃん、ずっと食べとらんけん、ひもじかー。』

わかった。いっぱい持ってくるからあそんでよ。

ちょっと前になりますが動物園に行ってきました。

ひつじ坊やとブタおじさんの会話が凄く気になり、

スケッチどころではありませんでしたが、動物園に行くと、いつも

こんな事考えてしまいます。

雨が上がったらまた行こう。

こうもり将軍は二刀流で絵を描く事が出来ます。

ヤァーーーーー！

なーんて特に意味はありませんが制作中の息抜きにこんな事ばかりしています。

このアトリエで、

僕の素敵な版画作品は

息を吹き込まれます。

大きな所ではありませんが、

ここは、

言わば僕の宝箱のような所です。

版画のインクとコーヒーの薫りに包まれ

毎日制作しているのですが、

一日の大半を過ごすアトリエには、春になり、たくさんのかわいい客がやってきます。

飾ってある花に毎日必ず飛んでくるハッチくん、明かりに迷い込むカナブン博士、

いつも机のまわりで遊んでいる小さなクモねえさん、それに、乾燥中の版画に

わざわざ止まってしまい身動きがとれなくなるかわいそうなムシおじさんたち

(ちなみにこのムシおじさんたちは、たまにクモねえさんの餌食になってる）。

客はまだまだいるのでつづきはマ•タ•イ•ツ•カ…。